【2024年6月号】Editor's Room

2024.05.07   編集より

 

 若かりし頃、絵本「そめごろうとからす」や「なかまってさいこうさ」の制作にて、河原まり子さんとご一緒しました。やがて自分は異なる世界に身を転じて20年ほどが経ち、9年前、再び絵本の世界に戻りました。

 その間、河原さんは犬や猫をはじめペットと人との関りについて多くの優れた作品を生み出しています。小さな生き物たちの可愛さや、共に生きる素晴らしさを追求することに留まらず、生き物との別れや死など、子どもたちを前に避けることの出来ない、根源的で難しいテーマに、表現者として真っすぐに向き合い、長年格闘を繰り返してきたのです。

 そんな河原さんが最近作り上げる絵本は潔くシンプル。そして読むほどに感じることの多い深みがありながら、その筆致には力の抜けたユーモラスな部分や、ほのぼのとした温かみを感じます。心の奥底で繰り返し続けた問いや葛藤、長年にわたり磨き上げた画業。それらが今、自由に伸びやかにさりげなく絵本の中に醸し出されています。

 毎回、伊豆の山奥からさっそうと至光社にお見えになる河原さんとの絵本作り。今では時を積み重ねることの貴さと味わい深さをしみじみと感じるひと時であります。(H.T)
 

▼ 河原まり子さんの絵本『そめごろうと からす』(1989)、『なかまって さいこうさ』(2000)



▼ 近刊『たまねぎぼうや』(2021)、『みなみの うみの ププ』(こどものせかい2022年7月号)、『ぼくもしかしたら』(こどものせかい2023年6月号/ためしよみ

◎『こどものせかい』のバックナンバーは雑誌のオンライン書店Fujisan.co.jpでお求めいただけます。ぜひご利用ください。

 

 

▼ 河原さんと暮らしている犬のカボと猫のソラ

 

 

 


 

▼こどものせかい2024年6月号
 『ずーっといっしょ ぼくらのもりの1ねん』をみる
 

 

▼ 作者のことば・プロフィール
  絵本づくりの仕事場より
 

 

▼ この絵本をもっとあじわう
  片柳弘史神父とよむ こどものせかい


 


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