【2023年9月号】絵本づくりの仕事場より/阪口笑子

2023.08.07   仕事場

 

 透明人間って本当にいるのかな、いたらいいな、そんな夢のような世界を空想していた遠い昔々の少女時代でした。
 
 透明人間ゾリックとおいらの絵本が出来ました。捨てネコだったおいら、ゾリックからあかりをプレゼントされたのです。おいらはびっくり、実はずっと前からぬくもりがほしかった。
 でも誰でもあかりをもらえる訳ではないのに、あかりは何故もらえたのでしょうか? それはこのネコは生まれながらに素直で優しい子だから、幸運が巡って来たのです。
 
 そんな奇跡があることが、私の切なる願いです。
 コロナの閉ざされた日常が続いた中で、この絵本を描けたのは不思議と自由に心が羽ばたけました。つかの間、私の胸にもあかりが灯りました。
 

 

 

▼ 阪口 笑子 プロフィール


和歌山県印南町出身。セツ・モードセミナー研究科卒業。小説エッセイの挿絵、カレンダー(大成建設コーセー化粧品)月刊誌単行本の表紙絵等の作画。
初めての創作絵本はPooka誌(学研)『ソラとスナウト』。著作絵本に『たっちゃん  しりませんか』『おかあさん あのね』『また あした』(すべて小峰書店)、『ひろくんとおいら』(岩崎書店)、『みずたまりくん』『おーい いちごサンダル』『うみと でんわが つながった』『たんじょうびがたいへんだ』(すべて至光社「こどものせかい」)
そのほか、NHKEテレ番組「おはなしのくに」演目『きんたろう』の作画など。

◎HP https://www.tis-home.com/emiko-sakaguchi/

 


 

 

 

▼こどものせかい2023年9月号
 『ゾリックと おいら』をみる

 

 

 

▼ この絵本をもっとあじわう
  片柳弘史神父とよむ こどものせかい


 

▼ 編集者による制作エピソードなど
  Editor's Room

 

 

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