【2023年11月号】Editor's Room

2023.10.05   編集より

 

 作品が生まれてくるのをたくさん拝見してきました。どれも作者が精魂込めて作り上げてくるものですが、その生まれ方はそれぞれです。何か月何年もかけて、ゆっくりじっくりと生まれてくるもの、隠れた努力と緻密な作業の果てに崇高な面持ちでやってくるもの、そして時に、ぽん! と軽やかに生まれてくるものもあります。『とらきち』は、作者とやりとりを重ねていたら、ある日「楽しくすらすらと描けました」と突然現れました。作者の中で育ってきたものが、なにかのきっかけであふれだしたのでしょう。こつこつと培ってきた時間があるからこその、ぽん! そういう場面に出会えることは本当に幸せで、編集者冥利に尽きると言えるでしょう。
 
 鳥や虫、風ともいっしょに遊ぶ、とらきち。だけどなぜか猫なのに…うーん。どうしてなのか、とらきちにもわからない。わからなくていいの。だって、それが、とらきちだから。そんなとらきちを見守る女の子のあたたかさは、作者のまなざしそのものです。
 心に時おり降る雨にも、そっと傘をさしかけて、しばしあせらずゆっくり雨が止むのを待ちましょう。そのうちきっと、おひさまが照らしてくれるだろうから…。
ほら、裏表紙でとらきちがおひさまと遊んでいますよ。なんて鳴いているのでしょうね。(M.K)
 
 
 
 
 

▼ 作者・かみちとせさんの愛猫 とらきち。もと保護猫で淡路島からやってきました。

「愛嬌とずっこけキャラがあり、まわりの空気をふうわりとやわらかくする、特技があります。」(作者談)



▼ かみさんが絵を描いている時は、よく足元にいて、自分に目を向けてほしい時だけは膝の上にのってくるのだそうです。

「そんな時は、大概お腹が空いている時なんですよ。」(作者談)

 

 

 


 

▼こどものせかい2023年11月号
 「とらきち」をみる
 


▼ 作者のことば・プロフィール
  絵本づくりの仕事場より
 

 

▼ この絵本をもっとあじわう
  片柳弘史神父とよむ こどものせかい


 

 

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