【2023年8月号】Editor's Room

2023.07.05   編集より

 

 作者のよしだしずかさんは書籍や雑誌のイラストのお仕事をしながら、いろいろないきものの絵を展示・発表されてきました。

 その作品は砕いた卵の殻を練りこんだ下地に、アクリル絵の具で描かれたもの。ゴツゴツした独特な質感とふぞろいな表面はなんともいえないあたたかさを生み、描かれた絵からは動物たちや自然の息遣いを感じることができます。

 よしださんとの出会いは20年ほど前のことでした。当時の絵のサイズはすこし小さめで、モチーフは身近な動物のほかトカゲやカエル、マダガスカルのキツネザルなど。いきいきとした大きな黒い瞳でまっすぐにこちらを見つめてくる、まるでいきものたちの肖像画のような作品がとても印象的でした。

 その後、展示を重ねられるごとに少しずつ奄美のいきものが登場しはじめ、背景にはそれぞれが棲む森や砂浜などの自然が描かれるように。作品のサイズも世界観も年々ひろがっていき、やがて今回の絵本の構想がスタートしました。

 原画の制作はコロナ禍の期間とも重なっていましたが、そんななかでも一枚一枚 こつこつ描き続けられたよしださん。
 ひろいひろい世界に想いを馳せながら、すべてのいきものに愛情をもったまなざしで真摯に向き合う よしだしずかさんの絵の世界をどうぞお楽しみください(M.S)

 
 

▼原画は45×90㎝のベニヤ板に描かれています。

 

 

 

▼絵の下地には卵の殻が練りこまれています 

        

 

 

 

 


 

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絵本『ぼくの しらない せかい』に登場するいきものをご紹介しています
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